一九九〇年三月五日から七日まで、高野山大学および高野山霊宝館に出張し、宝生院宥快の関係史料を中心に調査・撮影した。採訪した史料は、七編之二六、応永二十三年七月十七日、高野山宥快寂スの条に収載する予定である。なお、調査・撮影にあたっては、高野山大学の武内孝善氏に多大なご協力を仰いだ。記して謝意を表したい。
○高野山霊宝館（和歌山県伊都郡高野町高野山）
宥快画像は、金剛峰寺の所蔵であるが、当日は、金剛峰寺ならびに霊宝館の御高配により、霊宝館での撮影を許された。
一 宥快画像 一軸
○高野山大学附属図書館（和歌山県伊都郡高野町高野山）
以下の史料のうち「伝法灌頂日記」と「伝法灌頂授与記」は高野山三宝院の所蔵、「諸折紙」は金剛三昧院の所蔵であるが、現在は、いずれも高野山大学附属図書館に寄託されている。（ ）内は、同図書館での整理番号である。
一 伝法灌頂日記中院流応永記 （特二二／三／三〇） 一冊
一 伝法灌頂授与記応永十年記本 三昧耶戒 （四八三／三／一六） 一冊
一 伝法灌頂授与記応永十年記末 初後還列嘆徳 （四八三／三／一六） 一冊
一 諸折紙 （特一三／シ金／三） 一括八包
（１）「乍二塔」 一包三通
イ応永廿年七月卅日 宥快授宥澄印信 一通
ロ応永六年八月十三日 宥快授宥澄伝法灌頂印信印明 一通
ハ応永十八年五月廿四日 宥快授宥澄印信印明 一通
（２）「凡重秘部八紙又二紙枚 八千」 一包八通
イ不動極秘 一通
ロ常住金剛法 一通
ハ不動八千枚秘観口伝 一通
ニ秘口伝 一通
ホ不動秘印等 一通
ヘ不動法 一通
ト不動師口極々 一通
チ最秘師口不動 一通
（３）「第六 安」 一包二通
イ応永廿六年九月廿一日 成雄授宥澄壺坂三部五部密印言口伝 一通
ロ永享元年十一月廿八日 成雄授全宥白鉄塔 一通
（４）「伝法安」 一包二通
イ享徳二年八月廿八日 隆快授快禅伝法灌頂印信印明 一通
ロ享徳二年八月廿八日 隆快授快禅伝法灌頂印信紹文 一通
（５）「安伝法許可」 一包四通
イ永正三年五月廿三日 快増授空尊供養法等作法 一通
ロ永正三年五月廿三日 快増授空尊許可灌頂印信 一通
ハ永正三年五月廿三日 快増授空尊伝法灌頂印信印明 一通
ニ永正三年五月廿三日 快増授空尊伝法灌頂印信紹文 一通
（６）「許可灌頂」 一包三通
イ永正五年四月七日 仟遍授空尊許可灌頂印信 一通
ロ永正五年四月七日 仟遍授空尊伝法灌頂印信印明 一通
ハ永正五年四月七日 仟遍授空尊伝法灌頂印信紹文 一通
（７）「伝法」 一包二通
イ永正五年四月七日 仟遍授秀尊許可灌頂印信 一通
ロ永正五年四月七日 仟遍授秀尊伝法灌頂印信印明 一通
（８）無題 一包五通
イ大永四年正月十八日 智海授幸算伝法灌頂印信紹文 一通
ロ大永五年六月十八日 智海授幸算伝法灌頂印信印明 一通
ハ大永五年六月十八日 智海授幸算伝法灌頂印信印明 一通
ニ大永五年六月十八日 智海授光算伝法灌頂印信印明 一通
ホ大永八年六月廿七日 智海（カ）授仟空許可灌頂印信 一通
（山口隼正・榎原雅治・吉田 成）
『東京大学史料編纂所報』第25号p.11
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